エンジニアの松永です。
サービス開発において開発フェーズになってこの機能は実現できないという手戻りが発生する場合があります。この手戻りをなくすためにできることの1つとしてフィジビリティ検証があります。フィジビリティ検証は体験、デザイン、機能の実現可否を確かめる上で欠かすことのできない検証です。
今回は、どのタイミングで行えば効果が最大化できるか、フィジビリティ検証を行う理想のタイミングについてです。
目次
よくあるタイミング
フィジビリティ検証を行うよくあるタイミングは、開発フェーズ内の実装直前の段階です。検証し、そのまま実装というような流れです。
実装直前でフィジビリティ検証を行う場合、検証結果として実現可能となれば問題はありません。しかし、実現不可となった場合、体験、デザイン、機能のいずれか、または複数に手戻りが発生します。
この段階で手戻りが発生した場合の最大の影響は、プロジェクトのQCDに直結してしまうことです。事業担当者やPMはQCDのバランスを保つか、変えるか、変えるなら何を優先し、何を優先しないかなどの意思決定が必要になり、その影響の大きさはプロジェクト全体に関わります。
実装直前でのフィジビリティ検証になる要因は、プロジェクトごとの細かな制約はあるものの、その占める割合としてデザイン会社と開発会社が別々であることによるデザインとテクノロジーのコミュニケーションが分断されてしまっていることが挙げられます。
デザインとテクノロジーのコミュニケーションの分断がなく、「ユーザー体験の設計〜ユーザー体験の実現」までをシームレスに繋げられれば、理想のタイミングでフィジビリティ検証が可能であり、効果が最大化できます。我々は、デザイン会社のエンジニアチームとして、デザインとテクノロジーの密接なコミュニケーションを大切にしています。
理想のタイミング
理想のタイミングでフィジビリティ検証を行うことができれば、実装直前での実現不可の発生を下げることができ、不確実性を減らすことができます。フィジビリティ検証は、不確実性が高いタイミング、特に「体験の実現方法を検討しているとき」に行うことが理想です。
具体的には、「UXデザイン〜UIデザインの作成前/作成中」のタイミングです。
エンジニアがUXデザイナー、UIデザイナーとともに理想のタイミングでフィジビリティ検証を行うことで、実現不可が発生したとしても、実装直前の段階での手戻りと比べれば影響範囲を小さくすることができます。プロジェクトの前半にあたるフェーズのタイミングで実現不可になる課題が顕在化することは、手戻りではなく軌道修正となり、プロジェクトにとって不確実性を減らしサービスの品質を高めることができます。
フィジビリティ検証を経た体験、デザイン、機能は、設計当初よりも実現性のあるものになります。検討の段階でフィジビリティ検証を行うことで、効果を最大化することができます。
エンジニアに求められること
UXデザイナー、UIデザイナーとともに活動するエンジニアには、下記のスキルが求められます。
- デザインとテクノロジーの密接なコミュニケーション
- ユーザー体験への理解
- ユーザー行動の想定
- 開発の構造の想定
「体験を実現するために必要な機能は何か」「この機能の目的は何か」「なぜこの機能が必要なのか」などを理解することが必要です。そのため、フィジビリティ検証を理想のタイミングで行うエンジニアにはデザイン理解と開発スキルが必要です。我々は、デザイン理解と開発スキルを備えているエンジニアをUXエンジニアと定義しています。
フィジビリティ検証を「機能の実現可否」ではなく「体験の実現可否」と捉え、理想のタイミングで「何を」「なぜ」「どのように」検証するのかを明確にした上で行うことで、サービス開発の品質が高めることができます。
まとめ
今回は、フィジビリティ検証を行う理想のタイミングをご紹介しました。
フィジビリティ検証のタイミングを最適化することでサービス品質を向上することができます。サービス開発における品質の向上、不確実性を減らすことはデザイン理解と開発スキル備えているUXエンジニアの役割の1つです。
アジケでは、UXエンジニア開発支援プランを提供しています。
サービス開発における下記のような課題に対し、デザイン理解と開発スキルを備えているエンジニアが支援します。
- UIUXデザインまでは高品質だったが、実現する際に品質がイマイチになった
- フロントエンド専任のエンジニア、エンジニアチームがいない
- 属人化、煩雑化しているソースを改善し、運用を効率化したい
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